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Statement

人や動物など生物の顔の部分を花瓶や壺など「うつわ」の口に置き換えた『からっぽに満たされる』シリーズをはじめ、近年は鰹節を素材に用いた『鰹節彫刻』など、日常に存在する身近な物事のイメージを反転、拡張しながら作品化しています。  

陶を用いた作品はその構造上内部が空洞です。

たとえば人体を焼き物で作ると、外側からはその景色は見えなくても、その内部には空洞が存在することになります。

私は制作をしながら、その「見えない内側の風景」を自然と意識するようになりました。

顔に穴の空いた人物や動物たちは、表情を失っているようにも見えますが、その「からっぽ」は、ただ、ないということではなく、多様な可能性や、まだ言葉にならない感情や記憶が入り込む余白ととらえることが出来ることでしょう。

私は、日本画、工芸、彫刻などを横断しながら学んできました。そのなかで、私自身「美術」と「工芸」、「彫刻」と「器」、「鑑賞」と「生活」といった境界は、はじめから曖昧なものとして存在していました。素材や技法、ジャンルを固定せず、その狭間で生まれる違和感や反転作用、説明しきれない存在感のようなものを見つけたいと思います。

また、私は立体作品を単体のオブジェとしてではなく、「空間の中にどのように存在するか」という感覚を強く意識しながら日々展開をしています。

作品同士の距離感や配置、空気、気配、鑑賞者との関係性を含め、空間全体がひとつのイメージとして立ち上がる状態に関心があるためです。

作品を通して些細なゆらぎに目を向けながら、人の感情や記憶、存在の輪郭などについて考え続けています。


高嶋英男


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