高嶋英男「ソンザイノリンカクヲツクル」

高嶋英男「ソンザイノリンカクヲツクル」DM

高嶋英男「ソンザイノリンカクヲツクル」

会場:KYOTOba “京都場”
会期:2023年4月29日(土) – 6月18日(日)

仲野泰生
(京都場館長、元川崎市岡本太郎美術館学芸員)

「高嶋英男―領域を越境する壺頭たち」

1873年(明治6年)日本は初めてオーストリアのウイーン万国博覧会に公式参加した。この時の記録と「日本の伝統的な手工芸品がとても売れた」とある。その2年前に1871年(明治4年)ウイーン万国博覧会の分類目録が翻訳されていた。
「墺国維府博覧会出品注意事項」をみると「第二十二区」美術〈西洋ニテ音楽、画学、像ヲ作ル術、詩学等ヲ美術ト云フ〉の博覧場ヲ工作ノ為ニ用フル事』とあって面白い。 「ノ博覧場ヲ工作ノ為ニ用フル事」とあり、これは今の展覧会の展示やデパートのウインドウディスプレイに繋がるようにも解釈できる。 そして、この「美術」と言う言葉と同様に「工芸」という言葉も明治期に翻訳されていて領域が無い言葉となった。
現代の私たちは、実は「美術」や「工芸」という翻訳された言葉があるために「表現領域」の分類と「自分の表現の欲求」との間に齟齬が起きているのではないか。
高嶋英男は「美術」や「工芸」という領域を平気で横断する人だと思う。
高嶋は頭が壺になっている人体や動物たちを陶芸で作っています。
彼は大学時代には絵画を専攻していたが、戦場的な陶製の立体を制作し始めた。 しかし絵画要素が消えたわけではなく陶の表面に釉薬で描かれた絵紋様として再び現れた。 青い釉薬で描かれた絵紋様はその絵画性の高さから「壺」の作品などを制作しているイギリスのアーティスト、グレイソン・ペリーを思わせるところもある。嶋作品の植物紋様はペリーの自己的な世界物語よりも装飾性の高い紋様が、日本の伝統的な絵付けを想起させます。 また、ペリーは「壺」という形態自体が重要視しているが、高嶋は「壺」が頭にある人体や鳥、動物を作っている。
「壺」は本来、花などを生けるために穴がある。 高嶋作品の「壺」の頭は空洞であるため、離れてみると暗い闇を抱えているようにも見える。

2023
高嶋英男「ソンザイノリンカクヲツクル」京都場/京都
解説文より。DM裏面に記載。

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